私と貴方の
音が繋がって
新しい
音になる
《♪=allegro》
体育祭、文化祭と並んで3大行事の音楽祭。
笠井はその実行委員に選ばれてしまった。
ただピアノが上手いという理由だけで。
「絶対押しつけられたよな……」
「笠井君、何か言った?」
「いえ、別に。それより、ここの飾りはどうします?」
「あ、うーんとねぇ……」
今どうしようか迷っているのは、3年。
クラスと学年、更に全校合唱の指揮までもやる。
そして今度の音楽祭。
指揮、伴奏笠井に先程決定した。
「…こういう感じがよくない?」
「わかりました。」
放課後、実行委員の仕事をやり、そのまた後に指揮と伴奏で合わせる。
音楽担当の教師もその場に居て見るので、文句も言えないし、当然サボれない。
「あ、笠井君止めて。」
中途半端に音が止まる。
今まで座ってその様子を見ていた教師も、同時に立ち上がる。
「どうしたんですか?先輩。」
「アルトとバスが遅れて入るとこなんだけど、allegroにしない?
その方が曲に合ってる気がする。」
言われた通りに、笠井が弾く。
さっきより早くなり、少し明るく感じる曲になった。
「うん、そっちの方がいいわね。さすが、さんと笠井君!」
2人が帰る頃にはもう暗くなっていた。
必然的に笠井はを送ってから寮に帰ることになる。
「いつもゴメンね…笠井君。」
「そんな、気にしないでください。先輩1人じゃ、危ないですし。」
いつもより星が多い。
薄暗くしかなっていない空でも、はっきり見える。
音楽祭1日前の放課後。
実行委員会は素晴らしく働いていた。
学園内ではなく公共施設を使った行事の為、
前日、それも授業が全て終わってから施設まで移動しないといけない。
「じゃあ実行委員移動するのでバスに乗ってください!!」
委員担当の教師が甲高い声で叫ぶ。
指示は全員に聞こえた。
「あ、さん、笠井くん。」
「「はい?」」
音楽担当がと笠井を呼び止める。
もともと傍に居たからだけど、見事にハモった。
「私、ホールの方についていくから、2人は残って練習しててくれる?」
「「わかりました。」」
2人、音楽室へ向かった。
ピアノを開けるとまず、が1番高い鍵盤を軽く叩いた。
「この音が、一番好き。澄み切っていて、何もかもを映し出せる音みたいな…。」
そう言うと、開けるために蓋が開く方に行った。
その後を笠井が追う。
「俺は…俺も、その音が好きです。」
「何で?」
くるっと振り返り、見上げる。
「…先輩が瞼に映るから。」
肩を引き寄せ、まるで何か大切なものを包むように、優しく抱いた。
柔らかい触り方は、の気分を良くした。
「先輩、好きです。」
「…先輩はイヤ。」
「さん、好きです。」
「さん付けもイヤ。」
が、意地悪そうに微笑んだ。
「、好きだ。」
「私も…」
笠井はをピアノの上に上半身だけ寝かせ、
自分はその上に覆いかぶさるようにした。
ピアノに手のひらから肘までをつき、
の目を見た。
次第に、顔が近づき瞼を閉じ、キスをした。
end…
++++アトガキ。++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
1000hitのキリリクです。
めっちゃ中途半端で終わらせてみました(笑)
この後はまた何かの機会に♪
えー、参考資料として、学校の体育館のピアノ。
部活のとき、どのくらいの高さかを調べました。
竹巳の身長と、ヒロインの身長差は8cmくらい。
ヒロインの腰の位置考えたら、この高さがギリギリなんです…!
ピアノの高さも少し低くしたし!
何気に考えました、少し。
1000hitありがとうございました!!
南 結笑
allegro→はやい速度で