≪英士はシスコン≫
こんなのが俺のキャッチフレーズになったのはいつだったか。
そもそも何でだったか。
誰がつけたんだったか。
誰のせいだったか。
俺の大事な妹・をあんなヤツにとられたときからか。
あんなヤツって言っても、俺の親友なんだけど。
何でか知らないけど、結人は由依が好きだ。
やっぱりあの時逢わせなければよかったな。
俺がこんなに苦悩することもなかったのに。
せめて一馬なら、よかったのに。(へたれだから。)
「ただいま。」
「おかえりー。と、お友達…?」
「「お邪魔しまーす!」」
「、悪いんだけど飲み物持ってきてくれない?」
「いいよー。確かコーラあったからそれでいい?」
「うん。よろしくね。」
そのまま2階突き当たりの英士の部屋へ。
部屋に入っての第一声は分かり切ったことだったけど。
「今の英士の妹?!」
「まあね。言っとくけど、手出さないでよ。」
「バカだなー英士!」
このときだ。
このとき騙された。
<手出すはずない><手出すに決まってる>
どっちとも取れたのに。
前者だと思い込んでしまった。
後者だったのに。
<ガチャ>という音がして、見慣れたさらさらな髪が部屋の中に入ってくる。
「コーラとお菓子持ってきましたー。」
「あ、ありがと。」
「…英士くん。何か怒ってる?」
「何で?」
「顔が怖い。」
気付かないうちに表情に出してたらしい。
結人がを見つめてるし。
一馬はそんな結人を呆れた目で見てるし。
「英士くん、私部屋にいるから何かあったら呼んでね。」
「うん。」
俺の部屋のドアが静かに閉まった。
階段を真ん中に、逆方向のの部屋に向かう足音がする。
それから10秒もしないうちに結人は立ち上がった。
「俺ちょっとトイレ!!」
俺や一馬が何か言う前にドアを閉めて行った。
おそらくのところへ。
「なあ英士。結人、ちゃんのとこ行ったんじゃないのか…?」
「多分ね。」
「結人って分かりやすいな…。」
「一馬ほどじゃないでしょ。」
多分まだは廊下に居るはず。
結人は何か話し掛けるな、確実に。
今俺が出ていったら、結人が何か言いそうだし。
いくら何でも、初めて逢った今日その日には告白しないだろう。
その頃、結人と。
結人、部屋に入る直前のを見つけ、呼び止める。
「ちゃん!!」
「えっと…若菜さんでしたっけ?」
「うん。結人でいいよ。でもサン付けはやめてね。」
「じゃあ結人くん。何か用事ですか?」
「あーあのさ、ちゃんって彼氏いるの?」
「いませんよ。」
「好きな人とか、気になる人は?」
「英士くんが好きです。」
「は??!!」
とても大きな声を出した。
しかし、郭家は全室防音になっているから英士には聞こえない。
は軽く笑った。
「嘘です。いませんよ!」
「マジビックリしたって!本当にいないんだよね?」
「はい。」
「じゃあさ、俺の彼女になってよ。」
「へ??!!」
今度はが大きな声を出した。
結人が笑っている。
でも目は真剣そのもの。
「好きな人いないなら試しにつき合ってみてもいーじゃん!な!!」
「え…あ、はい……。」
半ば強引に答えを出させられたは、顔が凄い赤かった。
(うっわー、めっちゃ可愛いし!!)←結人、心の声。
「ねえ、キスしていい?」
「ここ家の中ですよ?!」
「大丈夫だって!口が嫌ならほっぺでいいからさ。記念にv」
「んー……。」
「っていうかするわ。」
返事をする前にもう結人の腕の中に居た。
抵抗する暇もなく顔が近づいてきて、
の頬に結人が口づけをした。
結人はそれだけじゃ足らず、唇にもしようとした。
そのとき。
「結人ー。他人様の家で親友の妹とキスするなんてちょっと非常識なんじゃない?」
「げ…英士……。」
「英士くん、違うの!!」
「は黙ってる。」
「でも…!」
「黙ってる。」
「…はい……。」
「結人、こっち来て。」
「あぁ。」
英士と結人はから離れた。
ボソボソ何かしゃべっている。
「「何なんだろう?」」
と一馬は声を揃えた。
ウチの妹傷つけたら許さないからね。
覚悟しときなよ?
もちろん!!
++++アトガキ。+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
草下由依ちゃんへの捧げ物。1000hitニアピンリクです。
中途半端!!一馬影薄っっっ!!しかもさん迷ってます!!
私としてはこのまま一馬とくっつけたいっス!
由依、ダメ??(ダメだから。)
1000hitニアピンありがとうございました!!!
南結笑